2012年09月10日

やる夫は下克上をするようです

「やる夫は下克上をするようです」(完結)

【作者】◆cMs5e3r5eY氏
【種類】オリジナル
【wiki】http://www48.atwiki.jp/gekokujoutennko/
【まとめ】http://yaruokei.blog.fc2.com/blog-entry-2178.html (やる夫AGE様)

中世欧州的な世界観の宮中で、ライバルと競り合いながら国王への下克上を狙うSLG系安価。
定められた期限内で、数値化された金・人・名声による自勢力の強化を積み重ね、それを基盤としながらライバルとの駆け引きを会話中心の外交で行い、同時に仲間との関係やヒロインズとの恋愛を進めていく。

内政が複雑ではなく、完結済安価スレの中では比較的読みやすい量(合いの手含め17000レス程度)であり、更にまとめブログにもまとめられているので、SLG系安価がどんなものかを軽く知るに丁度良い作品。
他に作品の特徴として「会話安価ではまず対応傾向を決定する」「多数決と範囲安価が多用される」「範囲からの抜粋は主人公(GM)が判断」があるので、内政と安価の難易度はかなり易しい部類。

最終的に、ライバルとの外交はほぼ序盤のみで、以降は自勢力拡大のための内政と中立的NPCの取り込み、そして仲間やヒロインとのコミュに終始する内容となった。仲間キャラはそれぞれコミュを取った数が一定数に達すると勢力拡大の補助技能が得られる場合があるので、沢山のキャラがそれなりに万遍なく複数回のイベント会話を起こされ、会話的に不遇になったキャラが少なく、物語はやる夫とその仲間達の話で彩られる。

このスレ主=GMの上手いところは、選ばれた内政安価に必ず理由をつけ、同じものを使わない点。
例えば「金を得る」を選択した場合、「宮廷に繋がりを持ちたい商人からの賄賂」「地元が振興したので送られてきた金」「退治した盗賊が溜め込んでいた宝」「領地に食い込みたい個人商人からの付け届け」などの多種多様な理由を使い、単純に「稼ぎにいった。金+1」とだけ表示されるようなシステムから脱している。
たまに似たような理由や続きものの理由はあっても、必ずAAでイベント会話を挟むので作業感が少ない。

これのおかげで淡々と数字とにらめっこするだけの「それゲームブックでも出来るやん」みたいな酷いことにならず、むしろ内政安価ひとつ選ぶだけでも「どんな話を持ってくるか」という期待感で楽しい。
仲間やヒロインとのコミュも、手を抜いて作られた薄さとは縁が無く、内容が濃いものが多かった。

で、そのヒロインとの恋愛展開は、R-18がついてないスレだがR-18系ハーレムスレに似た部分が多い。
初期に「コミュ回数を積み重ねてからじゃないと恋愛にならない」という宣言がされ、実際に何度も安価で選ばれたヒロインAは知人→友人→恋愛感情の芽生え、と宣言通りの展開だったのだが、スーパーチョロイン御坂やヤンデレ由乃、ツンデレハクの登場によって、安価で各ヒロインがそれぞれ選ばれ続け、あっという間によくあるやる夫的ハーレム展開になってしまった。もう慣れたつもりだったが流石に飽きますね。
男に都合の良いチョロインが出ると、圧倒的に大人気になることがオタ界隈では多いが、やる夫スレではそれが特に顕著であり、チョロインだらけのスレなので更に顕著。わかりやすい結果だったなー。

題材が中世の王宮なので、側室云々などハーレム展開は初期から予想できるが、序盤はヒロイン一人に一点集中、且つ性的な臭いの少ない誠実な態度のやる夫なので、中盤以降の「皆愛してるお」的な変貌ぶりが余計に激しく感じられた。中身別人じゃねーの、というツッコミは安価スレには無意味だが。
主人公が周りの女を誰彼構わず口説く軽薄男になり、ヒロインが男のハーレムを許容するチョロインになってしまうのは最近の安価スレのデフォ(時代背景も含めて)なので、ここらへんはもう割り切るしかない。
ただ、やる夫の気持ちの移り変わる過程が時間をかけて描かれていることが、説得力が無いスレとは違う点。

まぁでも、3Pが見たいという話が出た途端、上手くやってるライバルに比べてポイント劣勢な状態だったのに多数決で政務<エロに流れたりするのが実に安価スレらしい。
(しかもその時の選択安価で失敗して>>1に難癖つけだす奴が複数沸いたのも実に安価スレ)
その際は少々荒れた(安価スレとしては荒れが少ない方だが)ので、当時のログを追いかければ「参加する前に」に書いた「安価参加者の多くは遠くの勝利より目の前の餌」の模範的な実例として参考にできるだろう。
このスレではエロいらない派が多かったようだが、それでも結果として↑みたいなことになってるわけだし。

そして最後に。このスレの紹介で一番重要なのが「ランダム性の高さ」。
一ヶ月を1ターンとし、合計36ターンの内政+コミュを行うわけだが、毎ターン「ランダムイベント」が主人公とライバルの全員に発生する。これがもう終盤まではものすごい運ゲーすぎて面白いことになる。
「グッドイベント二〜四割、バッドイベント四割、何も無し二〜四割」の確率(終盤は変わる)であり、見事にバッドイベントが乱れ飛ぶ。これとは別に6ターン毎に国王からのバッドイベントもあったりと、マイナスイベントが豊富でマジ笑った。参加者の運が悪かった場合、救済イベントなかったら確実に詰むレベル。

ただ、やる夫が有利になるようなシステムだったし、ライバル達もバッドを引きまくったので、全体的にマイナスが発生し、下克上競争的には皆イーブンに近くなるようバランスが取られていた。これもGMの上手さ。
マイナスイベント発生率がランダムで高いのに、参加者にストレスを与えにくいシステムなんて他に見たことなかったので素直にすげーと思いました。三晩かけて最初から最後まで読みきれちゃったよ。

********************

安価取得の難易度:普通
行動安価の難易度:低い〜やや高い
戦闘安価の難易度:内政次第+ランダム
会話安価の難易度:低い
   思考の重要度:高い
    ヒロイン戦争:中〜大規模
バッドイベント指数:助けてください!

※↑は現行時代の評です※

↓エンディング感想(完全にネタバレ注意)
エンディングでは参加者の安価により「敵対した者には救いがない形」になりましたね。
エロまでいった敵側ヒロインのみ温情のあるせつない結果で、他は全部粛清!というのは、このスレの最終的な空気を的確に表していたと思う。どんな参加者が多かったか、っていうのも。

政治的に見れば五割以上の参加者が納得する結果で、物語的に見ると五割以下の参加者が後味悪いと思ってた雰囲気、のように見受けられた。敵対者側の描写が殆どないので参加者にヘイトが溜まりやすく、最後の安価までの状況的にも殺せコールの声が大きかった故の結果。
(偶に描写があったと思ったらヘイト値あげる内容だったから、>>1としては敵を嫌わせたかったのかもだが)

これは、自陣だけの描写では敵側の内情が殆どわからず、敵側のキャラが薄っぺらく感じてしまったからかな、と推測した。でなければ敵側にもっと情が移るだろうし、>>1が「どんな安価を選んでも酷い地雷にはなりません」と宣言したにも関わらず「こいつは残しとくと危ないから」とかの理由をつけて処刑推し多数の流れにはならなかったはず。温情ある結果を選んだ安価も少なくなかったが、人数差で押し負けたわけで。
個人的にこれには少しがっかり。ハクの結果も。エロまでいかせた時点で色々呆れたが、それでこの終わりは流石に後味悪い。

ともあれお疲れ様でした。次回作に期待。


ラベル:オリジナル
posted by 安価レビュ夫 at 01:31| Comment(0) | 完結作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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